【世界遺産探訪記③】アルバニア・北マケドニア(2/5)

アルバニア

ベラトとジロカストラの歴史地区

2005年登録。2008年拡大。

Historic Centres of Berat and Gjirokastra

概要

これら二つの要塞化された歴史都市は、非常によく保存されており、とくに地域固有の伝統的建築にそのことがよく表れている。両都市には古代から現在まで途切れることなく人々が住み続けてきた。南アルバニアのバルカン地域に位置し、互いに近接するこれらの都市は、この地域の都市遺産と建築遺産の豊かさ、多様性を物語っている。

ベラトとジロカストラは、より古い影響を取り込みつつ、オスマン帝国時代のイスラム文化の伝統から長期にわたって影響を受けた生活様式を物語っている。同時に、この生活様式は正教会のキリスト教伝統も尊重してきたため、とくにベラトでは、その精神的・文化的発展が継続することができた。

ベラトは、要塞化されながらも開放的で、長い間、職人や商人が暮らしてきた町の姿を伝えている。その都市中心部には、バルカン地域の伝統的な住宅様式がよく表れており、現存例の多くは18世紀末から19世紀にさかのぼる。

この伝統は町の生活様式に合わせて発展し、斜面には段状に住宅が並ぶ。家々は主に横長の構成をもち、差し込む自然光を豊かに取り入れている。

英単語

  • vernacular buildings
    地域固有の伝統的建築
  • tiered houses
    段状に並ぶ住宅
  • turrets
    小塔、塔状部分

登録基準

iii
オスマン時代のイスラム文化と正教会文化が共存した、バルカン地域の独特な生活様式を伝える。

iv
ベラトとジロカストラは、要塞都市と伝統住宅がよく残る、オスマン期の都市建築の優れた例。 

写真

ベラトのみ訪問。実際行った写真!

ポイント

オスマン帝国時代の都市景観と伝統住宅が残る
・イスラム文化と正教会文化の共存
・ベラト:職人・商人の町、斜面に並ぶ白い家並み
・ジロカストラ:大地主の町、塔状住宅「クレ」が特徴
・要塞化された歴史都市で、古代から居住が続く

アルバニア・北マケドニア

 オフリド地域の自然遺産および文化遺産 

1979年登録。

登録名:Natural and Cultural Heritage of the Ohrid Region

概要

オフリド湖地域は、約94,729ヘクタールに及ぶ複合遺産である。1979年にまず自然保護上の価値で登録され、翌年には文化遺産としての価値も認められた。これらの登録は、北マケドニア側に位置する湖の区域を対象としていた。その後2019年に、アルバニア側にあるオフリド湖の残りの区域も含むよう、登録範囲が拡大された。

オフリド湖は、第三紀にさかのぼる多数の固有種や遺存種の淡水性動植物の避難場所となっている、きわめて優れた自然現象である。地殻変動によって生まれた深く古い湖として、オフリド湖はおよそ200万〜300万年にわたり連続して存在してきた。

その貧栄養の湖水には、この湖に固有の200種を超える動植物が守られている。そこには、藻類、渦虫類の扁形動物、巻貝、甲殻類、2種のマスを含む17種の固有魚類、さらに豊かな鳥類相が含まれる。

オフリド湖のほとりに位置するオフリドの町は、ヨーロッパ最古級の人類居住地の一つである。主に7世紀から19世紀にかけて築かれたオフリドには、最古のスラヴ系修道院である聖パンテレイモン修道院と、11世紀から14世紀末にさかのぼる世界的に有名な800点以上のビザンツ様式のイコンが残っている。

オフリドの建築は、ヨーロッパのこの地域における古代都市建築の中で、最もよく保存され、最も完全な建築群を示している。スラヴ文化は、オフリドからヨーロッパの他地域へ広がった。

英単語

inscriptions 登録

relict species 遺存種

flora and fauna 動植物相

tectonic origin 地殻変動による起源

turbellarian flatworms 渦虫類の扁形動物

Byzantine-style icons
ビザンツ様式のイコン

indisputably
疑いなく、明確に

ascent and glory
発展と繁栄

masonry heritage
石造建築の遺産

liturgical links
典礼上のつながり

登録基準:1,3,4,7

登録基準は i・iii・iv・vii

i
オフリドの教会建築やイコンが、人類の創造的才能を示す。

iii
スラヴ文化や初期キリスト教文化の重要な証拠。

iv
古代都市建築、教会、修道院、伝統住宅がよく残る優れた例。

vii
オフリド湖そのものが、きわめて優れた自然美と自然現象を示す。 

写真

とにかく本当に綺麗なところで良かった!かなりお気に入りの世界遺産。

ポイント

  • 複合遺産
  • 1979年に自然遺産、1980年に文化遺産として登録
  • 2019年にアルバニア側へ拡大
  • 北マケドニアとアルバニアにまたがる
  • オフリド湖は約200万〜300万年続く古代湖
    固有種・遺存種が多い
  • オフリドはヨーロッパ最古級の居住地
  • スラヴ文化がオフリドから広がった。
  • オフリドはスラヴ語で『切り立つ岩の上』という意味。
  • 湖畔に建つ聖ヨハン・カネオ聖堂のほか、スラヴ地域最古の聖パンテレイモン修道院など。
  • マケドニア最高峰のふもとにあり、ロシアのバイカル湖などと並んで世界最古の湖のひとつ。バルカン半島で最も水深が深いだけでなく、透明度が高く冬でも凍結しないため、他の地域では絶滅した水生生物なども生息している。

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