著名な画家を知る①

著名な画家を100人知りたい!パート1。

という訳で、今回は20人調べてみたよ。自分の実際にみた中で気に入った絵とともに。

アンリ・ルソー

アンリ・ルソー(1844〜1910)はフランスの画家で、もともとは税関職員だったから「税関吏ルソー」とも呼ばれている。代表作は《夢》《眠るジプシー女》《蛇使いの女》あたり。特徴は、遠近感とか人物の描き方がちょっと不思議で素朴なんだけど、ジャングルや動物が出てくる世界がめちゃくちゃ幻想的なところ。ちなみに本人は本物のジャングルには行ったことなくて、植物園や図鑑を見ながら想像で描いてたらしい。

私の1番好きな画家。私は目が悪いのもあって、立体的に見えないことが多い。だから、この立体感のない感じがたまらん!私の1番好きな絵は、『飢えたライオンは身を投げ出しカモシカに襲いかかる』。ジャングルの中の緊迫したシーンのはずなのに、かわいくもある…。

マルク・シャガール

マルク・シャガール(1887〜1985)は、ロシア帝国領、今のベラルーシ出身の画家で、のちにフランスでも活躍した画家。有名な絵は《私と村》《誕生日》《町の上で》あたり。パリのオペラ座天井画や、色々な大聖堂のステンドグラスも手掛けてる。特徴は、恋人たちが空を飛んでたり、動物や村の風景が夢みたいに出てきたりする、幻想的でロマンチックな世界観。ユダヤ人で、ユダヤ文化や故郷の記憶、愛をテーマにした作品が多くて、「現実をそのまま描く」というより、思い出や夢を絵にした感じの画家!

私の世代なら、♩シャガールみたいな青い夜♩が思い浮かぶはず。シャガールも不思議な絵ですごく好き。本当に夢を絵にしたみたい。これまで見た中で1番好きなのは『堕ちる天使』というやつかなあ。色が綺麗で、不思議な気持ちになる。

ハンス・ホルバイン(子)

ハンス・ホルバイン(子)(1497/98〜1543)は、ドイツのアウクスブルク生まれでイギリス宮廷でも活躍した画家。有名作品は、《大使たち》(ナショナル・ギャラリー、ロンドン)、《ヘンリー8世の肖像》、《ゲオルク・ギーゼの肖像》(絵画館、ベルリン)あたり。特徴は、とにかく描写がめちゃくちゃ精密で、服・金属・紙・毛皮まで質感がガチなところ。しかもただ似せるだけじゃなく、身分や知性や不穏さまで絵に入れてくる、かなり切れ味のある肖像画家なんだって。人物としては、結構冷たい人間だったらしい。

私が初めて見たのは、バーゼル市立美術館の『墓の中の死せるキリスト』。もうこの絵はリアルすぎて怖い!キリストも人間なんだな…と思うような人間感。ホルバイン作品って細かいものにもとにかく色々なメッセージが込められていて面白いんだよなあ!

グスタフ・クリムト

グスタフ・クリムト(1862〜1918)は、オーストリアの画家で、ウィーン分離派の中心人物。有名作品は、《接吻》(ベルヴェデーレ宮殿、ウィーン)、強い目線が印象的な《ユディト I》(ベルヴェデーレ宮殿、ウィーン)、あたり。特徴は、金箔みたいなきらびやかな装飾、平面的な模様、官能的な女性像で、絵というより宝石みたいに見えるところが魅力!生涯独身だったが、たくさん愛人がいたらしい。絵と実物の写真のギャップが結構すごい。

クリムトもめちゃくちゃ好きな画家の1人。私が見た中で1番好きな絵は『乙女』。プラハ国立美術館でみたんだが、本当に綺麗で美しい!女性が絡み合っていて綺麗すぎてため息が出たわ。

レオポルド美術館の『死と生』もかなり良い!クリムトって対比がうまくて、死と生が綺麗に対比になっている。立体感がなくて、平面的なのも私が好きな理由なのかな…。

ルーカス・クラナッハ(父)

ルーカス・クラナッハ(父)(1472〜1553)は、ドイツ・ルネサンスの画家で、宗教改革の中心人物ルターとも親しかった人。有名作品は、《ヴィーナス》(シュテーデル美術館、フランクフルト)、《アダムとイヴ》(ウフィツィ美術館、フィレンツェほか複数版)、《マルティン・ルターの肖像》(ウフィツィ美術館)あたり。特徴は、すらっとした体型、ちょっと冷たくて妖しい表情、黒背景に浮かぶような人物表現で、宗教画も肖像画も描くけど、特に独特の色気がある女性像がクラナッハっぽい。

すごく好きって訳ではないんだが、とにかくよく見る!というのも、かなりの多作で、自分で工房を運営しており、分業で大量製作したらしい。かなりの人気画家でもあり、ビジネスセンスもあったみたい。絵からそういう雰囲気がないのも面白いな。

私が好きなのは、メランコリーという絵。確かウンターリンデン美術館でみたのかなあ。メランコリー=憂鬱を擬人化したような絵で、面白い。わかるわかる、その気持ち。クラナッハの女性の顔も結構好きかも。

ワシリー・カンディンスキー

ワシリー・カンディンスキー(1866〜1944)は、ロシア生まれでドイツやフランスでも活躍した画家だよ。有名作品は、抽象画の代表格《コンポジション VII》(トレチャコフ美術館、モスクワ)、色と形が音楽みたいに響く《黄色・赤・青》(ポンピドゥー・センター、パリ)、青騎士時代の名作《青騎士》(チューリッヒ美術館)あたり。特徴は、ものをそっくり描くより、色・線・形だけで感情や音楽っぽいリズムを表そうとしたところ。ざっくり言うと、「絵を現実のコピーから解放して、音楽みたいにした人」らしい!色彩で感情表現したのも面白い。(沈黙の白、自己満足の緑とか色々あるらしい)

正直あまりみたことがないんだよなあ。現代美術館に行く事が少ないから遭遇しないのかな。コンポジションシリーズみてみたいな。私が気に入ったのは、アテネでみたこの魚っぽい絵。何かかわいくて、コースターも買っちゃった。

アルノルド・ベックリン

アルノルト・ベックリン(1827〜1901)は、スイス出身の画家で、象徴主義の代表的な画家。有名作品は、不気味で静かな島を描いた《死の島》、幻想的でちょっと怖い《ペスト》、海の怪物っぽい神話世界の《波間の戯れ》あたり。特徴は、神話・死・夢みたいな世界を、妙にリアルで重たい空気で描くところ。ざっくり言うと、きれいなんだけど不安になる絵を描く人。奥さんや子供など、身近に死を何度も経験したんだって。

この人はヨーロッパに来るまで全く知らなかった!!かなり綺麗なのに不安な気持ちにもなるような不思議な絵で面白い。『死の島』シリーズ全部みたい。好きなのは、《人生は短い夢》。原題はラテン語で《Vita somnium breve》、意味はそのまま「人生は短い夢」。1888年作で、所蔵はバーゼル美術館。大きな翼を持つ存在や、人生・芸術・死を思わせる寓意的な人物が出てくる。人生は短い夢って良い言葉だなぁ…。

あとは、ペストもすごい。疾病の悪夢を描いている。

ヨハネス・フェルメール

ヨハネス・フェルメール(1632〜1675)は、オランダの画家で、光の表現がめちゃくちゃ上手い画家として有名。有名作品は、《真珠の耳飾りの少女》(マウリッツハイス美術館、ハーグ)、《牛乳を注ぐ女》(アムステルダム国立美術館)、窓辺の女性と手紙を描いた《手紙を読む青衣の女》(アムステルダム国立美術館)あたりだけど、それ以外にもたくさんありまくり。特徴は、派手なドラマよりも、部屋の中に差し込む光、静かな時間、人物の気配をすごく繊細に描くところ。ざっくり言うと、何気ない日常を、神秘的なくらい美しく見せた画家!かなりの寡作で、36点ほどしかないんだとか。

日本でも有名だからさすがに知ってたけど、やっぱり良いなぁ。女性は歴史の女神、クレイオを描いてるらしい。何が良いのか説明できないけど、やっぱり光が綺麗で細かいんだよな。

あとは、地理学者もかなり好き。確証はないけど、モデルは顕微鏡で有名なあのレーウェンフックではないかと言われてるんだよね。同世代で同じデルフト出身。フェルメールって勝手に独身だと思ってたんだが、10人以上子供がいたらしくて驚き。

ジェームズ・アンソール

ジェームズ・アンソール(1860〜1949)は、ベルギーの画家で、仮面・骸骨を描いた画家。ほとんどがベルギーの美術館所蔵。特徴は、カーニバル、仮面、骸骨が描かれている事!

まだあまり見たことがないんだが、1枚で心掴まれた!見てみて、めちゃくちゃかわいくない?かわいいのにちょっと不穏な感じがなんか好き。ベルギーにみにいくぞ!

クロード・モネ

クロード・モネ(1840〜1926)は、フランスの画家で、印象派の代表的人物。有名作品は、やはり睡蓮、ルーアン大聖堂など。連作が多くて、差を見つけるのも楽しい。特徴は、輪郭をカッチリ描くより、光・空気・時間の移り変わりを色のタッチで描いたところ。ざっくり言うと、モネは「何が描いてあるか」より、その瞬間の光がどう見えたかを追いかけた画家なんだって。

色々な『睡蓮』があるけど、バイエラー財団でみた睡蓮がかなり良かった!何かベタっとした感じと、正方形なのが印象的で面白かった。モネは多作で、本当に色んな美術館でみることができるから良いな。

ミケランジェロ・ブオナローティ

ミケランジェロ(1475〜1564)は、イタリア・ルネサンスの超大物で、彫刻・絵画・建築ぜんぶできた怪物級の芸術家。有名作品は、若き英雄の理想美をつくった《ダヴィデ像》、死んだキリストを抱くマリアが美しい《ピエタ》、人類創造の場面が有名な《システィーナ礼拝堂天井画》と、超ドラマチックな《最後の審判》(どちらもヴァチカン美術館/システィーナ礼拝堂)あたり。特徴は、筋肉や人体の迫力がすごくて、神話や聖書の人物まで生身の人間みたいな重量感と精神の強さを持っているところ。ざっくり言うと、ミケランジェロは「人間の体で、神レベルのドラマを表現した人」らしい。

この前フィレンツェのメディチ家礼拝堂でみたジュリアーノ・デ・メディチの墓もミケランジェロ作だったらしい。これは昼と夜。夜が女性で昼が男性。女性の下にはフクロウと仮面(?)が!

こっちは夕暮れと夜明け。こっちでは男性が夕暮れ、女性が夜明け。

ジュゼッペ・アルチンボルド

ジュゼッペ・アルチンボルド(1526/27〜1593)は、イタリア出身で、ハプスブルク宮廷でも活躍した画家。四季シリーズなどで有名。特徴は、遠くから見ると人の肖像、近くで見ると野菜・果物・魚・本・花の寄せ集めになっているところ。だまし絵の先駆け的な感じなんだが、宮廷の知性とユーモアが詰まってるんだと。

どれもかなり面白いけど、この『法学者』が良い。顔は鳥と魚でできていて、首や体は書類やら本やら。知識があるような人も近づくとキモい的な風刺なのか?ちなみに、アルチンボルドはイベンター的な感じのポジションで、絵を描く以外も舞台装置やら色々担当してたんだって。仕事と割り切ってやってたのかな?謎の人。

カラヴァッジョ

カラヴァッジョ(1571〜1610)は、イタリアの画家で、バロック絵画の流れを一気に変えた超重要人物!特徴は、聖書の人物を理想化せず、庶民みたいにリアルに描いたことと、真っ暗な背景に強い光を当てる方法。宗教画を舞台劇みたいに生々しく、現実の事件みたいにした人で、とにかく後世にも多大な影響を与えた人。本人は気性が荒くて、殺人もしてるからやばい。

最初にカラヴァッジョを知ったのは、あべのハルカスのカラヴァッジョ展だったなぁ。色々有名な絵も好きな絵もあるけど、この勝ち誇るアモルは特に好き。タイトルは「愛は全てに勝つ」らしく、ちょっとカラヴァッジョっぽくないなとも思った。

あとは、マルタのヴァレッタでみた洗礼者ヨハネの斬首も素晴らしい!これは大聖堂込みでだけど、本当に神秘的で美しいよー。

レオナルドダヴィンチ

レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452〜1519)は、イタリア・ルネサンスの天才で、画家だけじゃなく解剖学・工学・建築・発明までやってた万能人。特徴は、輪郭をぼかすスフマート、神秘的な表情、人体や自然への科学的な観察力。レオナルドは絵を「きれいに描く」だけじゃなく、人間・自然・光の仕組みまで考えて描いた人!

1番のお気に入りは、クラクフでみた白貂を抱く女!神秘的で、テーマも面白い。4枚しか女性肖像画がないのと、何かこれがイタリアとかフランスじゃなくてポーランドにあるのも好きなんだよな。

エドワルド・ムンク

エドヴァルド・ムンク(1863〜1944)は、ノルウェーの画家で、人間の不安・孤独・死・愛をかなり生々しく描いた人。特徴は、見たものをきれいに描くより、心のざわつきや不安そのものを、ぐにゃっとした線と強い色で描いたところ。ムンクは双極性障害という病気を患っていたらしく、見えるもの以上のものが見え、聞こえるもの以上のものが聞こえたんだと言われている。

『叫び』はやっぱり良かった!

サンドロ・ボッティッチェリ

サンドロ・ボッティチェリ(1445〜1510)は、フィレンツェ・ルネサンスの画家で、優雅でちょっと切ない線がめちゃくちゃきれいな画家。 。特徴は、写実の迫力よりも、細い輪郭線、流れる髪、優雅なポーズ、夢っぽい神話世界で見せるところ。どこか儚くてメランコリックな絵を描く人。特に女性の顔がちょっと思い詰めたような、なんとも言えない虚無っぽい顔なのが面白い。

好きなのは、歌う天使と聖母子という作品。トンドと呼ばれる丸い絵も好きだし、やっぱりこのなんとも言えない顔が良い。

エドガー・ドガ

エドガー・ドガ(1834〜1917)は、フランスの画家で、印象派の仲間だけど、風景よりも踊り子・競馬をよく描いた人。特徴は、きれいなポーズだけじゃなく、練習中・待機中・疲れた瞬間みたいな舞台裏のリアルを切り取るところ。ドガは華やかな世界を、かなり冷静に描いたってことか。

お気に入りは、グルンベキアン美術館でみた絵。舞台裏なのか、疲れてるのか何なのか、リアル描写が良い。オルセーにたくさんあるみたいなので、また行きたいな。

アルブレヒト・デューラー

アルブレヒト・デューラー(1471〜1528)は、ドイツ・ルネサンスを代表する画家・版画家で、北方の細密描写とイタリア的な人体研究を合体させた人。特にドイツでかなり人気みたいだった。特徴は、毛一本・金属・布・木目まで描き分ける超絶技巧と、数学・遠近法・人体比例への探究心がすごかったらしい。職人技と知性で、北方ルネサンスを一気に格上げした人!

1番好きなのは、1番有名な自画像かな。真正面からの自画像で、キリストみたいでかっこよす。横に書いてる文字は、「ニュルンベルクのアルブレヒト・デューラーである私は、28歳のとき、自分自身をこのように自分の色彩で描いた」みたいな宣言らしい。かっこよす。

パブロ・ピカソ

パブロ・ピカソ(1881〜1973)は、スペイン生まれでフランスを中心に活躍した画家。特徴は、絵を一つの視点からきれいに描くのをやめて、顔や体をいろんな角度から分解して組み立て直したところ。ピカソは「絵は見たままを写すもの」というルールをぶっ壊して、20世紀美術を一気に変えた人。

これまで色々な美術館に行ったが、あまりピカソには遭遇しないんだよなあ。ゲルニカは20年ほど前にみたことあるけど…。スペイン旅行の際は美術館に行ってみよう。

ヒエロニムス・ボス

ヒエロニムス・ボス(1450頃〜1516)は、現在のオランダあたりで活躍した北方ルネサンスの画家。特徴は、宗教画なのに、悪夢みたいな怪物・変な機械・奇妙な人間たちが大量に出てくるところ。不気味でシュールだけど本当に面白い!

お気に入り…というほど見たことないんだが、リスボンの『聖アントニウスの誘惑の三連祭壇画』が良かった!ボスは本当に細かくて、奇妙で、たまに気持ち悪くて面白い!

という訳で、パート①の20人でした!楽しかったー。

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